ライダーの間で「天空の林道」と呼ばれている場所がある。
中津明神山から続く林道、1540mの山頂まで車で行くことのできる場所だが、この日もトレッキングの人達が数名いた。
なれどこの林道を歩き、猿越山まで足を伸ばす人はあまりいないようだ。
以後春夏秋冬、歩いて自転車で車でと訪れているが、やはり紅葉の時期は格別。
二週続いた台風の過ぎ去った土曜日、四駆のハスラーで向かう。
明神山頂の温度は4℃、強風の為体感温度は0℃を下回る感覚。
林道から猿越山登山道へ入る頃には、どんよりとした雲が立ち込め、時折望いていた太陽も全く隠れてしまった。
光量は少ないが、だからこその柔らかい絵画のような森を楽しめる。
とは言え、稜線を吹き抜ける風は冷たく、ここまでの寒さを想定していなくて初秋の装備、一時間くらいでそそくさと帰途に着くことにした。
日曜日は用事が入っていたがキャンセルになった。
風はなく雲一つない青空が広がっている。
家から約三時間のこの場所へもう一度入ろうと体が動き出した。
昨日と打って変わって小春日の温かな一日。
二時間半ほど森を歩いた。
夏に来た時にもそうだった様に、二日共誰とも出会わない。
贅沢な贅沢な一人占めの紅葉を、心ゆくまで歩き楽しんだ。
お日柄も良く狐火と出会いけり
おひがらもよくきつねびとであいけり
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