神の庭と言われる石鎚山系にある笹倉湿原へは、 石鎚スカイラインの閉鎖される12月以降はまず訪れることができない。
雪が積もれば、当然ウマスギゴケの美しい沼の景色を望むことは出来ないが、初雪が降り、うっすらと苔の上に雪がのった光景はどんなに美しいことだろうと、以前より思い描いていた。
ブログやヤマレコで情報を探すが、山やスカイラインの情報は載っていない。
とりあえず、アイゼンやダウン等雪山の装備で出発。
面河渓近くまで来ても雪の気配はなかったが、関門のスカイライン入り口にガードマンが立って案内をしている。
どうも前日までは雪の為通行止だったらしいが、除雪をしたので土小屋までは通行可にしているとのこと。
走り始めると道ばたには結構雪が積もっているが、ノーマルタイヤでも問題なし、いやはや運が良い。
途中、見えて来た山々があまりにも美しいので、登山口を通り越し長尾根展望所から景色を楽しむ。
金山谷の登山口には2台の車が停まっていた。
10:15出発、標高は960m。
のっけから雪だが、アイゼンをつける程ではない。
しかし苔と雪のコラボの写真は完全にあきらめた。
林道を15分歩き杉林の登り口へ、標識表示は1時間15分。
このルートは結構な急坂がずっと続く。
雪もどんどん深くなるが、いろんな表情を見せてくれ、疲れを癒してくれる。
笹倉湿原への道は南へと一直線に登るのだが、迷いやすいルートでもある。
前回来た時も小一時間迷っていた人がいて一緒に登ったのだが、今回も先行者の男女が雪の中で止まっていた。
この方達も初めて来たとのこと。初めて行く雪山はスタンダードな山以外は、踏み跡がなければまずルートがつかめない。
地図とコンパスは常備しなければならないが、あっても確実なルートをとるのは難しい。
正式なルートの右の渓へと進み、目印の赤いテープを確認しつつ高度をあげる。
不思議なことに雪の中をたくさんの蛾が舞っている。
すべてが雪に埋もれている中の不思議な光景。
いつ、どこで生まれて来たのだろう。
あとどのくらい生を謳歌するのだろう。
雪は40~50㎝、深いところで70㎝はあるだろうか、新雪なのでアイゼンは必要ない。
いつもの大山毛欅はいつもの場所で悠然と見守っている。
歩き始めて1時間30分、標高1436m、2.1㎞登った地点にあるわさび自生地も雪に覆われ、反対にして置いてある五右衛門風呂も見つけることができない。
ここからルートは東へ、わずかの下りにかかる。
湿原まではあとわづか。
寒林の中に石鎚山が顔を覗かせているが、ここ以外は殆ど望むことが出来ない。
1420mの笹倉湿原に12:00着、先行の2人のカメラマンが昼食をとっている。
彼らは今年10数回目の笹倉湿原らしい。
6月の神の庭
10月の神の庭
11月末の神の庭
来年の4月まで、誰にも邪魔をされずに静かな眠りにつこうとしている神の庭。
狐やヤマネやムササビや鳥達が、たまには訪れて楽しむことだろう。
レノン忌や山男等のハーモニカ